東京の島の食材を通して、島の人や魅力を知る・体験する・感じる『TOKYOガストロノミーツーリズム』プロジェクト。スペシャルサポーター、作家椎名誠氏に伊豆諸島への思いを語っていただきました。

伊豆諸島は昔から気になっていたので、ずいぶんあちこちの島に行った。大島、新島、神津島、三宅島の四島へは、調布飛行場から飛行機で1時間もたたないうちに着いてしまうので、若いころから何度も行っていた。自宅から車で30分ほどで空港に着いてしまう。昔はそのまま駐車場に車をおいて、すぐ飛行機に乗れたので、なんだかアメリカ映画などに出てくる簡単かつ便利な憧れの風景が、こんな身近にあるということがうれしかった。

海に出るまで、街をかなり至近距離で眺めているうちに、風景は一面の海になり、晴れていると、その色がどんどん濃紺に変わっていくのを見るのが大好きだった。
この快適さを東京に住んでいる人は案外知らないというのがもどかしくもあったので、このイベントが開催され、東京とそれぞれの島の人との交流が濃密になされるという成果を目の当たりにして、たくさんの拍手を差し上げたい気持ちだ。

今回の新島へは、東京から飛行機と船で20人ほどの釣り好き、島好きの仲間らと上陸した。普通なら船で沖まで行かないと釣れないような高級魚であるシマアジを、堤防からほぼ入れ食い状態で30匹以上も釣り上げた。我々の仲間には魚屋もどきの包丁さばきをする連中がたくさんいるし、本職の寿司職人もいるので、大量の島寿司(ヅケにした刺身と酢飯に練りガラシで作る独特のもの)や、いわゆる江戸前寿司などの狂乱食い放題を幸せのうちに体験した。
そのあと、新島村ふれあい農園で今度は島の人たちに、島でとれる野菜や魚の島独特の料理などをふるまってもらい、100人以上の大宴会となり、双方ともに笑い声が絶えなかった。

願わくば、これをきっかけにこの交流が相互にさらに密になっていくことをのぞんでいます。

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